テクノDJがみるアインシュタイン特殊相対性理論(3)

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Albert-Einstein

前回、相対性原理と光速度不変の原理が合わさり時間が遅れるという結論を実感しました。今回は同時の相対性など、この2つの理論のうち、光速度不変の原理から導き出される奇妙な結論をもう少しみてみたいと思います。

ちなみにアインシュタインは人生において2つの特別な出来事を経験したと言っています。1つは4歳くらいの時、父親に磁気コンパスをみせてもらった時に常に一定の方向を示すコンパスをみてとても衝撃を受けたそうです。見えない何かが作用して常に針が一定の方向を示しているという事実を目の当たりにして、ものの背後には深く隠された何かがあると感じたそうです。この経験はその後も深い印象を与え続けたそうです。

同時の相対性

これは光速度不変の原理から導き出される帰結です。比較感覚が掴みやすと思いますのでまた頭の中で想像してみたいです。

前回も登場したShureのM44Gの筒で創った約30万kmの光時計を2つ使います。下端に光源を持つこの光時計の底をくっつけて横にします。すると真ん中から光が放たれると左右に進みちょうど1秒後に端に到着する、全長約60万kmの筒が完成します。

例えばこの筒を使ってリンボーダンスをしているが人いるとします(カリプソの音楽に合わせて)。この筒を通り抜けようとした時に、筒の真ん中から光が放たれたとします。そうするとこの人がみる光は左右にちょうど1秒後に到着します。これは当たり前に理解出来ます。理解出来ないのは何故リンボーダンスをチョイスしたか?ということくらいです。そしてこの状況を傍観していたギリシャ人がいたとします。ボーッとただ見ていただけですが今度はその会場ごと光速に近い速度で彼の目の前を左側から右側に通り過ぎて行ったと仮定します。そして彼のちょうど目の前に来た時に先程の筒の真ん中から光が放たれたとすると、ギリシャ人が目を剥いて注視するとおかしなことが起きます。

ギリシャ人から見てその筒は右側に光速に近い速度で移動しているので、筒の真ん中から左端に向かって放たれた光がまず筒の左端に到着するのを見ます。そして真ん中から右端に向かって放たれた光は右の端を追いかける様に進んでいるのが見えます。そのため左端に光が到着した後に右端に光が到着するのが見えます。何故なら何度も言う様に光速は常に一定なので、光速に近い速度で移動していてる会場と一緒に移動している筒の真ん中から光が放たれても、速度合成はされないからです。また、光速に近い速度で会場と一緒に移動しているリンボーダンサー当人にとっては会場は止まっている時と同じなのでやはり両端に同時に光が到着する様に見えます。つまりリンボーダンサーにとっては光が両端に同時に到着するのが観察されますが、ギリシャ人にとっては左右の端に光が同時に到着しないのが観察されます。

この思考実験を通して考えてみると、ある人に同時に起こっている出来事が離れた場所にいる他の人にとっては同時であるとは限らないという結果になります。これが同時の相対性です。同時であることは立場によって異なる「相対的」なものなのです。以前(2)で書いた、テクノDJの時間が遅れているからと言ってヒップホップDJの時間が進んでいると言えないのは、離れている一方の場所で起こっている出来事を基準して(絶対的にして)、他方の出来事を反対解釈出来ないからです。いや〜〜光の速度に近づくと「相対性」が顕著になるんですね。

メッチャ速く動く人やものは縮んでみえる

続いて導かれる結論は、、「距離が縮む」ということです。前述では時間の遅れることを示しましたが、なんと距離(空間)までも変化するというのです。光速度不変から導かれる結論は「高速で移動する人や物の長さは止まっている人から見ると縮む」ということです。これを確かめるために再度思考実験をしてみましょう。

今度はめちゃめちゃ横に長い箱を思い浮かべます。横の長さが100万kmの箱の中央にエド・シモンズがいるとします。もう一方の箱は横の長さが80万kmでトム・ローランズが中央にいるとします。そして100万kmの箱(中央にエド)が左へ、80万kmの箱(中央にトム)が右へ高速で移動してすれ違うとします。この時、相手の箱は光速の60%で動くと設定します。さらに箱の端どうしが揃うと箱の壁がレイビーな光を放ち中央のブラザーに知らせる仕組みになっています。そしてこのブラザーズが向かい合ってお互いの箱を観測したとします。

エドからみたようす

縮む箱.1

箱が縮む現象.1

縮む箱.2

箱が縮む現象.2

縮む箱.3

箱が縮む現象.3

まずエドの立場からすると、自分は止まっていてトムの箱が右側(エドの箱の左側)へ動きます。この箱がすれ違うとき、トムの箱はエドより短いためまず箱の左端(エドの箱の右側)が光ります(1)。

そしてトムの箱は右へ移動していくので今度は箱の右端どうしが揃い、右端が光ります。左端が揃ったときに放たれたレイビーな光から逃げる様に右側に動いているので左端から出た光はまだトムには届いていません(2)。

さらにトムの箱は右端どうしが揃ったあとも右側に動いていきます。すると左端が揃ったときに出た光と右端が揃ったときに出た光が左右同時にレイビーにトムに届きます。つまり、トムは左右の端が同時に揃ったと認識します(3)。

トムからみたようす

トムの立場からみるとトムは止まっていてエドが左側に動いているのですが、トムは箱の中央に乗っているので上記のように左右の光が同時に届くことをトムが認識するということは、時間を遡れば左右の壁が同時に揃ったことを意味します(同じ長さの箱が横に並ぶと左右から光が同時に発射されるのは日常感覚で掴めると思います)。つまりエドの箱が100万kmから縮み同じ80万kmに縮んだと言えるのです。そして実際に縮むのです。

ちなみに本当はエドからみたトムの箱も縮んでみえるのです。時間が遅れるのが「お互いさま」だったのと同じ様に100万kmの箱のエドからみる80万kmのトムの箱も80万kmよりも縮んでみえるのです。またこの縮みは動く方向の長さのみで垂直方向には「縮み」は起きません。。う〜〜ん「同時の相対性」お互い様具合が半端ないですね。

いや〜〜凄いですね。お互い違う場所にいる時に必ずしも出来事は同時に起こっているとは言い切れないし、空間も縮んだりして奇妙過ぎることこの上なしですね。ただ人間の日常の感覚がいかに「当たり前」ではないか、ということを視点を変えるとすぐ実感出来る辺りが気持ちいいです。正直、この思考実験を理解するのにかなり頭を巡らしましたがとても心地よい「認識の破壊」を体験出来ました。

「俺あの時間になんか渋谷のホテルに居なかったけど、何根拠の無い疑いをしているんだ!証拠あるのかい?!」と彼女に言い訳しているあなた!もしかしたらあなたは光の速度で彼女から遠ざかっているのかもしれないですね。。。

次回、実はエネルギーは質量だったという有名な方程式「E=mc²」について探求します。

テクノDJがみるアインシュタイン特殊相対性理論(4)

※参考文献、メディア

  • アインシュタインの世界〜天才物理学者に関する60の疑問〜 平井正則 監修 三品隆司+studioHETERO編 PHP研究所
  • GRAPHIC SCIENCE MAGAZINE Newton〜2011/12 光速C、2012/03 タイムトラベル〜 株式会社 ニュートンプレス
  • National Geographic Channel, Discovery Channel
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“テクノDJがみるアインシュタイン特殊相対性理論(3)” への1件のフィードバック

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