テクノDJがみるアインシュタイン特殊相対性理論(4)

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Albert-Einstein
アインシュタインの特殊相対性理論の帰結の一つにE=mc2という式があります。これは何を意味するかというと「質量がエネルギーと一緒である」ということを表すと同時に質量そのものがエネルギーに変化することを示していました。その過程は後述しますが、つまりこの1907年に発表された公式に従うと莫大な量のエネルギーの開放を予言していました。その一番悲惨な形で現れたのが原子爆弾です。

アインシュタインは原爆開発を進言したそうです。1939年、彼は当時のアメリカ大統領、ルーズベルトにあてた原爆開発を推進する手紙にサインをしました。その時代背景にはナチス政権下のドイツの脅威があったからです。

1934年にイタリアの物理学者、エリンコ・フェルミがおこなった、ウランに中性子をぶつける実験である核反応が確認されました。その後、オット・ハーンとリーゼ・マイトナーという物理学者によってこの現象がウランの核が真っ二つに分裂した現象だったことを突き止めました。この「原子核分裂の成功」はアメリカの科学者達に伝わりました。。。やはり悲しいかな、皆こう考えた訳です。

「もしドイツがこのとんでもないエネルギーを作り出す核分裂を利用して新型爆弾を開発したらヨーロッパがファシストによって征服されてしまう」と。。。

つまり、そう考えざるを得ない科学者達はアメリカも抑止力として即刻原爆を開発しないと大変なことになると。最も影響力がある人物の協力でなんとかしないと、、と考えた訳です。。そこでこの時、既にアメリカに移住していたアインシュタインに白羽の矢が立った訳です。

この手紙がきっかけでアメリカは原爆開発に取り組みますが、アインシュタインは進言はしたものの開発には関わりませんでした。

そして一般人と同じくして原爆が開発されたことを知ります。。。

それは1945年8月6日、広島に原爆が落とされたことを報じるラジオのニュースでした。平和主義者だったアインシュタインが世界の平和の均衡を保つために、悩みに悩んだ末にサインした手紙がきっかけとなった原爆開発を、皮肉にも最も悲惨な形で知る訳です。。。ドイツ語で「Oweh!」と言ったきりしばらく放心状態になったそうです。。

そんな負の側面が垣間見れるE=mc2はどんなものなのでしょうか?

E=mC^2

簡単に言うと物質とエネルギーが同じものであると答えが出ちゃったということです。身の回りにある、あらゆる物質がエネルギーと同等であるというのです。え、、っと思う感覚はあると思いますが同じものであると導き出されたのです。特殊相対性理論を紐解いていくとそうなるのです。計算は難しいから僕にも理解出来ないですがそうなるみたいで、しかしながらそこまで特殊な計算テクニックを使わないと聞いております。僕も誰かに教えてもらいたいです。

この式に辿り着くための出発点はやはり光速度不変が宇宙の基礎になっていると信じたことです。今まで先人達が築き上げてきた、力学の法則をこの光速度不変に従うようにするには、エネルギーと運動量の定義、その両方の関係性を修正しないと成り立たないことに気付き、研究を重ね、ついにエネルギーの本性を突き止め、驚くべき結論に達した訳です。エネルギーと質量は同じだと。。言い換えるとローレンツ変換(=光速度不変、お互いに運動している2人の観測者が測定した光の速度が同じようにするために、お互いを関係付けるための数学的変換法、ローレンツが見つけた方法)に従うことによって導き出された公式と言えるのです。

導いた結果、どのような物質であっても1g(例えば1円玉1枚)中に含まれるエネルギーは25,000,000kw/時に等しいことになるそうです。Technicsのアナログターンテーブル、SL-1200MK6の消費電力は11Wですから1時間プレイすると11W/時。仮に質量1gの物質から全てエネルギーに変換出来たとして、1時間で同時にSL-1200MK6を稼働出来る台数は約22億7272万7272台です。1日24時間ず〜っと1年間ぶっ通しでDJプレイしても約25万9443台を1年間同時稼働させる電気をまかなえる訳です。たった1gから想像できないとてつもないエネルギーですね。。

E(エネルギー)はm(質量)とc(光速)の二乗したものと掛け合わしたものと等しいというこの式、とんでもないですね。そりゃ〜この式使って単純計算したらとてつもないエネルギーに変換出来てしまいますよね。等しいということなので、つまりエネルギーさえあれば「無」から質量を生み出せるということも言える訳です。何も無いところから物質が作れる訳です。このことは宇宙が無から始まったとする説に一つの答えを明示してます。無から有が生まれる。。哲学的な感じですがそれにさえこの式はひとつの答えを出しています。

以前記述したマックスウェルが一見無関係な電気と磁気が実は同じものであって、同じものが違った側面の現象であると示した様に、アインシュタインは全く無関係で違うものと認識されていたエネルギーと質量は、実は同じものだったと、このE=mC^2で示したのです。自然界で別々の構成要素とされていたものをこの式で統一したのです。僕はつくづく数学というのはこの世で一番信頼出来る予言者だと思います。凄いですよね、本当に。

核融合と核分裂の違い

アインシュタインは広島の原爆が投下されたことで自分が作り上げた公式の正しさを認識しました。つまり質量がエネルギーに変換した瞬間を一番危惧していた最悪の形で思い知らされ、実証されたのです。広島に投下された原子爆弾で核分裂を起こしたのはウラン235という物質ですが、この時実際に消失した質量はたった0.7gと推測されているそうです。たった0.7gの質量がエネルギーに変換されただけであの破壊力です。やはり変換される際のエネルギーは想像を絶するものがあります。。

核融合と核分裂の違いは文字通り、2つの原子核が1つに融合するか、1つの原子核が2つに分裂するかの違いです。ぱっと聞いたところ融合するか、もしくは分裂するかの違いので何故そんなにわざわざ題する程のものか?なんて思いますが、反応、エネルギー、結果は全く違うものです。

まず私たちの身の回りにある物質の構成要素である原子の大きさですが、水の分子であるH2Oを形成している水素原子Hは1億分の1cmです。水素原子を約3億倍すると約4cmのゴルフボールくらいになるそうです。もう少し感覚的に言うと4cmのゴルフボールを水素原子とすると約3億倍すると地球と同じサイズになるそうです。なので水素原子がとても小さいことが感覚的に理解出来ます。が、さらに話しを続けると原子は中心にある原子核とその周りにある電子で構成されています。これまたサイズの話ですが、原子核と電子を含めた原子の大きさを直径200メートルの競技場(例えばサッカー場とか野球場)に例えると、中心にある原子核の大きさは2cm以下のビー玉くらいの大きさでしかない!そうです。めちゃめちゃ小さいですね。

核融合と核分裂はこの途方も無く小さな原子核に起きる反応です。そしてさらに原子核は、+の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子というもので構成されています。先程、原子の大きさを示しましたが、とてつもなく小さな空間に押し込まれているので、これを引き離すには相当なエネルギーが必要です。とにかく一旦何らかの方法で膨大なエネルギー注ぎ、原子核を陽子と中性子に引き離すと、陽子と中性子と注いだエネルギーが全体の総和になります。反対に陽子と中性子が新たに原子核を形成すると、切り離す際に要したエネルギーと陽子と中性子の総和と比べると小さくなります。つまり結合した際には全体の質量が小さくなります。これは質量欠損と呼ばれています。そして欠損した質量分だけエネルギーとして開放される訳です(結合する際に開放されるエネルギーなので結合エネルギーと呼ばれています)。この無くなった質量からエネルギー量をE=mC^2でばっちり計算で導けるのです。とにかく分裂する時も融合する時も膨大なエネルギーが必要なのです。このように原子核が違う2つの原子核に分離することを核分裂、反対に融合することを核融合といいます。

核融合
核融合は質量欠損をダイレクトに利用出来るのでとてつもないエネルギーが取り出せます。軽い原子核を融合して重い原子核を作ればよいのです。この時に融合させるためのエネルギーが開放されます。図は重水素H2(陽子1個、中性子1個)と3重水素H3(陽子1個、中性子2個)を1g核融合させた時のエネルギーを表しています。

何らかの方法で莫大なエネルギーを注ぐと(地球上ではおよそ1億度で核融合反応が起きるそうです)2つの原子核が融合し、ヘリウムHe(陽子2個+中性子2個)と中性子が1個生成されます。そして融合した時に欠損した質量が莫大なエネルギーとして開放されます。1gの核融合反応で石油8トン分の膨大なエネルギーが開放されるのです。

核分裂
核分裂は重い元素の原子核が分裂して起こる反応です。図はウラン235に中性子を当てるとウラン236のエネルギーの高い状態になります。その後、2、3個の中性子を出しながら2つに分裂します。その結果それぞれの核内の+の電荷を持つ陽子の数が少なくなり陽子同士の電気的反発が弱くなると、2つの軽くなった原子核はよりきつく結合します。

この時に結合した反応でエネルギーが放出されます。やはり結合する時にエネルギーが開放されるのですね。ちなみにウラン1gが核分裂するとガソリン0.9トン分のエネルギーが開放されます(核融合の方が15倍程威力があります)。そしてぶつける中性子のエネルギーが高い程、真っ二つに分裂し易いそうです(分裂が対称的になりやすいとのことです。似たような核に分裂するってことですね)。

日常でいうと核融合は太陽で起きているエネルギー反応で、核分裂はいま問題になっている原子力発電で利用されている方法です。核分裂を利用する問題点はやはり、分裂後の原子核が強い放射線を放つことです。人体に影響大のアレです。福島第一原発が事故を起こして大量の放射線が放出されましたが、これは核分裂後に生成された放射性物質(セシウム137やヨウ素131)が原因です。有害な放射性物質ですが、その後放射線を出しながら「放射性崩壊」という現象を繰り返して色々な原子核に変わり、最終的には放射線を出さない物質に安定するのですが、その安定するまでの年月がかなりかかってしまうのが問題となっている訳です。

一方、上記の核融合は融合した際に生成されるのは有害ではないヘリウム(吸ったら哀川翔のように高い声になるアレです)と中性子なので、核分裂と比べると害の無さは明らかです。が、現在の科学技術だと難しいようです、、現状、核融合の起爆剤としてやはり原爆が必要ですし、技術的にもまだまだ実現は先のようです。しかしながら、科学の力に期待をしてクリーンなエネルギーが出来ることを願っています。そして必ず実現出来ると信じております。

このようにアインシュタインの特殊相対性理論を解いていくと、こんな自然界の根底にある法則をも正確に予測することが出来たのです。凄いことです。まだまだ相対性理論から導き出される驚きの法則は尽きないのでまた次回掲載したいと思います。

Lifemaker’s Music

※参考文献、メディア

  • アインシュタインの世界〜天才物理学者に関する60の疑問〜 平井正則 監修 三品隆司+studioHETERO編 PHP研究所
  • GRAPHIC SCIENCE MAGAZINE Newton〜2011/12 光速C、2012/03 タイムトラベル,2011/07 原発と放射能〜 株式会社 ニュートンプレス
  • National Geographic Channel, Discovery Channel
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